後遺障害・PTSD
後遺障害・PTSD
後遺障害認定
軽い交通事故であればまだしも、事故の状況によっては長期にわたる後遺障害が残ることもあります。不幸にも障害を抱えたままで残りの人生を過ごさなければならない状況も、決して他人事ではないのです。このような後遺障害を負ってしまった場合、加害者に対して後遺障害の慰謝料を請求することができます。ただし、請求額は1級から14級までの「後遺障害等級」によって定められた基準の範囲内となります。等級認定までの流れは以下の通りです。
1.診断
交通事故による傷害を病院で治療・リハビリを受けます。
↓
2.診断書作成
医師から「症状固定」と診断されたら「後遺障害診断書」を作成してもらいます
↓
3.提出
作成した後遺障害診断書を保険会社に提出します。
↓
4.等級認定
保険会社は、後遺障害診断書を自賠責損害調査事務所に送り、後遺障害等級認定を依頼します。
↓
5.支払い
後遺障害等級認定の結果に従って、保険会社が保険金を支払います。
また、認定された等級に不満がある場合、行政書士に「後遺障害等級認定の異議申立書」を作成してもらうことも可能です。
PTSD
「PTSD」という言葉をご存じでしょうか? これは「心的外傷後ストレス障害」とも呼ばれ、災害や事故、犯罪のようなできごとに出遭った後に残る“心の後遺症”のことです。交通事故などによって個人の対処能力を超えるほどの強いショックを受けた場合に引き起こされるとされています。
PTSDの特徴
フラッシュバック
事故の体験が何度も思い出されたり、何度も夢に出てきたりしてうなされる。
感情の麻痺
ショックを受けたできごとを思い出さないように感情や感覚を麻痺させ、他人との関係が疎遠になったり、感情の動きが乏しくなったりする。
過度な興奮
物事に集中できずにイライラしたり、怒りっぽくなったりする。また、寝付けず寝てもすぐ起きてしまう。
PTSDの後遺障害等級
PTSDは後遺障害として認定されても、その程度に関わらず14級という低い認定を受けることが大部分です。ただし、過去にはPTSDを7級まで認めたケースも存在しています。こうした認定では、行政書士による「後遺障害等級認定の異議申立書」が等級を左右することもあります。PTSD等の後遺障害に悩まされている方は、まずは行政書士へ相談してみてください。
後遺障害等級
交通事故による後遺障害は「自賠法(自動車損害賠償保障法)」で定められており、1級から14級まで140種の後遺障害が35種類の系列に分類されています。ここでは、その障害の症状をご紹介します。
後遺障害等級・労働能力喪失率一覧表
| 等級 | 詳細 |
労働能力喪失率 |
|---|---|---|
1級 |
1 両眼が失明したもの | 100% |
| 2 咀嚼(そしゃく)及び言語の機能を廃したもの | ||
| 3 両上肢をひじ関節以上で失ったもの | ||
| 4 両上肢の用を全廃したもの | ||
| 5 両下肢をひざ関節以上で失ったもの | ||
| 6 両下肢の用を全廃したもの | ||
2級 |
1 一眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの | 100% |
| 2 両眼の視力が0.02以下になったもの | ||
| 3 両上肢を手関節以上で失ったもの | ||
| 4 両下肢を足関節以上で失ったもの | ||
3級 |
1 一眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの | 100% |
| 2 咀嚼、又は言語の機能を廃したもの | ||
| 3 神経系統の機能、又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの | ||
| 4 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの | ||
| 5 両手の手指の全部を失ったもの | ||
4級 |
1 両眼の視力が0.06以下になったもの | 92% |
| 2 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの | ||
| 3 両耳の聴力を全く失ったもの | ||
| 4 一上肢をひじ関節以上で失ったもの | ||
| 5 一下肢をひざ関節以上で失ったもの | ||
| 6 両手の手指の全部の用を廃したもの | ||
| 7 両足をリスフラン関節以上で失ったもの | ||
5級 |
1 一眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの | 79% |
| 2 神経系統の機能、又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの | ||
| 3 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの | ||
| 4 一上肢を手関節以上で失ったもの | ||
| 5 一下肢を足関節以上で失ったもの | ||
| 6 一上肢の用を全廃したもの | ||
| 7 一下肢の用を全廃したもの | ||
| 8 両足の足指の全部を失ったもの | ||
6級 |
1 両眼の視力が0.1以下になったもの | 67% |
| 2 咀嚼、又は言語の機能に著しい障害を残すもの | ||
| 3 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの | ||
| 4 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの | ||
| 5 脊柱(せきちゅう)に著しい変形、又は運動障害を残すもの | ||
| 6 一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの | ||
| 7 一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの | ||
| 8 一手の五本の手指、又は親指を含む四本の手指を失ったもの | ||
7級 |
1 一眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの | 56% |
| 2 両耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの | ||
| 3 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの | ||
| 4 神経系統の機能、又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの | ||
| 5 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの | ||
| 6 一手の親指を含む三本の手指を失ったもの、又は親指以外の四本の手指を失ったもの | ||
| 7 一手の五本の手指、又は親指を含む四本の手指の用を廃したもの | ||
| 8 一足をリスフラン関節以上で失ったもの | ||
| 9 一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの | ||
| 10 一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの | ||
| 11 両足の足指の全部の用を廃したもの | ||
| 12 女子の外貌(がいぼう)に著しい醜状を残すもの | ||
| 13 両側の睾丸(こうがん)を失ったもの | ||
8級 |
1 一眼が失明し、又は一眼の視力が0.02以下になったもの | 45% |
| 2 脊柱に運動障害を残すもの | ||
| 3 一手の親指を含む二本の手指を失ったもの、又は親指以外の三本の手指を失ったもの | ||
| 4 一手の親指を含む三本の手指の用を廃したもの、又は親指以外の四本の手指の用を廃したもの | ||
| 5 一下肢を5cm以上短縮したもの | ||
| 6 一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの | ||
| 7 一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの | ||
| 8 一上肢に偽関節を残すもの | ||
| 9 一下肢に偽関節を残すもの | ||
| 10 一足の足指の全部を失ったもの | ||
| 11 脾臓(ひぞう)、又は片側の腎臓を失ったもの | ||
9級 |
1 両眼の視力が0.6以下になったもの | 35% |
| 2 一眼の視力が0.06以下になったもの | ||
| 3 両眼に半盲症、視野狭窄(きょうさく)、又は視野変状を残すもの | ||
| 4 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの | ||
| 5 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの | ||
| 6 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの | ||
| 7 両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの | ||
| 8 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが困難な程度になったもの | ||
| 9 一耳の聴力を全く失ったもの | ||
| 10 神経系統の機能、又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの | ||
| 11 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの | ||
| 12 一手の親指、又は親指以外の二本の手指を失ったもの | ||
| 13 一手の親指を含み二本の手指の用を廃したもの、又は親指以外の三本の手指の用を廃したもの | ||
| 14 一足の第一の足指を含み二本以上の足指を失ったもの | ||
| 15 一足の足指の全部の用を廃したもの | ||
| 16 生殖器に著しい障害を残すもの | ||
10級 |
1 一眼の視力が0.1以下になったもの | 27% |
| 2 正面を見た場合に複視の症状を残すもの | ||
| 3 咀嚼、又は言語の機能に障害を残すもの | ||
| 4 14歯以上に対し歯科補綴(ほてい)を加えたもの | ||
| 5 両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが困難な程度になったもの | ||
| 6 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの | ||
| 7 一手の親指、又は親指以外の二本の手指の用を廃したもの | ||
| 8 一下肢を3cm以上短縮したもの | ||
| 9 一足の第一の足指、又は他の四本の足指を失ったもの | ||
| 10 一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの | ||
| 11 一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの | ||
11級 |
1 両眼の眼球に著しい調節機能障害、又は運動障害を残すもの | 20% |
| 2 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの | ||
| 3 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの | ||
| 4 十歯以上に対し歯科補綴を加えたもの | ||
| 5 両耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの | ||
| 6 一耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの | ||
| 7 脊柱に変形を残すもの | ||
| 8 一手の人差し指、中指、又は薬指を失ったもの | ||
| 9 一足の第一の足指を含み二本以上の足指の用を廃したもの | ||
| 10 胸腹部臓器に障害を残すもの | ||
12級 |
1 一眼の眼球に著しい調節機能障害、又は運動障害を残すもの | 14% |
| 2 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの | ||
| 3 七歯以上に対し歯科補綴を加えたもの | ||
| 4 一耳の耳殻の大部分を欠損したもの | ||
| 5 鎖骨、胸骨、肋骨、肩胛骨、又は骨盤骨に著しい変形を残すもの | ||
| 6 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの | ||
| 7 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの | ||
| 8 長管骨に変形を残すもの | ||
| 9 一手の小指を失ったもの | ||
| 10 一手の人差し指、中指、又は薬指の用を廃したもの | ||
| 11 一足の第二の足指を失ったもの、第二の足指を含み二本の足指を失ったもの、又は第三の足指以下の三本の足指を失ったもの | ||
| 12 一足の第一の足指、又は他の四本の足指の用を廃したもの | ||
| 13 局部に頑固な神経症状を残すもの | ||
| 14 男子の外貌に著しい醜状を残すもの | ||
| 15 女子の外貌に醜状を残すもの | ||
13級 |
1 一眼の視力が0.6以下になったもの | 9% |
| 2 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの | ||
| 3 一眼に半盲症、視野狭窄、又は視野変状を残すもの | ||
| 4 両眼のまぶたの一部に欠損を残し、又はまつげはげを残すもの | ||
| 5 五歯以上に対し歯科補綴を加えたもの | ||
| 6 一手の小指の用を廃したもの | ||
| 7 一手の親指の指骨の一部を失ったもの | ||
| 8 一下肢を1cm以上短縮したもの | ||
| 9 一足の第三の足指以下の一本、又は二本の足指を失ったもの | ||
| 10 一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二本の足指の用を廃したもの、又は第三の足指以下の三本の足指の用を廃したもの | ||
14級 |
1 一眼のまぶたの一部に欠損を残し、又はまつげはげを残すもの | 5% |
| 2 三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの | ||
| 3 一耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの | ||
| 4 上肢の露出面に手の平の大きさの醜いあとを残すもの | ||
| 5 下肢の露出面に手の平の大きさの醜いあとを残すもの | ||
| 6 一手の親指以外の手指の指骨の一部を失ったもの | ||
| 7 一手の親指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの | ||
| 8 一足の第三の足指以下の一本、又は二本の足指の用を廃したもの | ||
| 9 局部に神経症状を残すもの | ||
| 10 男子の外貌に醜状を残すもの |
介護を要する後遺障害
| 等級 | 詳細 |
労働能力喪失率 |
|---|---|---|
1級 |
1 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの | 100% |
| 2 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの | ||
2級 |
1 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの | 100% |
| 2 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの |
備考 | ||
|---|---|---|
| 1 視力の測定は、万国式試視力表による。屈折異状のあるものについては、矯正視力について測定する。 | ||
| 2 手指を失ったものとは、親指は指関節、その他の手指は第一指関節以上を失ったものを言う。 | ||
| 3 手指の用を廃したものとは、手指の末節の半分以上を失い、又は中手指節関節もしくは第一指関節(親指にあっては、指関節)に著しい運動障害を残すものを言う。 | ||
| 4 足指を失ったものとは、その全部を失ったものを言う。 | ||
| 5 足指の用を廃したものとは、第一の足指は末節の半分以上、その他の足指は末関節以上を失ったもの、又は中足指節関節もしくは第一指関節(第一の足指にあっては、指関節)に著しい運動障害を残すものを言う。 | ||
| 6 各等級の後遺障害に該当しない後遺障害であって、各等級の後遺障害に相当するものは、当該等級の後遺障害とする。 |
